6/ 大英博物館展/BM展 入ると大きなパネルが

この展示会と大英博物館とは何か?

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何しろ展示数が多いので、担当ガイドによって流れはまったく違います。二百数十点の中から何を選んで、どういう組み立てで説明するかはガイド個人に委ねられていますので参加してのお楽しみということになります。自分も他のガイドの人の話を聴きに行きますが、その人らしさを感じると「お〜なるほど」と思います。

さ〜入り口ゲートを通過。ちょっと抑えめの照明。期待が膨らみますね。まずはBritish Museumやこの大英博物館展についての概要が大きなパネルになっています。大きく書いてありますね “Treasures of the World” 世界の至宝展にようこそ!

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その下に(小さくてよく見えないでしょうが)

“Treasures of the World brings together over 200 exceptional objects from the collection of the British Museum.” の一文で始まります。“the collection of~”の部分には素直に受け取れない人も確かにいます。本来の場所でないロンドンになぜあるんだ、返還せよ!という声も少なからずあります。自分の親友には考古学者、それも世界的な研究者となった者もいます。彼(もしくは彼の周りの研究者)はイギリスから持ち去られたことを良しとしない感情を持っているようです。その声に多くの理があることを認めた上であえて言うと、物によっては一箇所にまとめておいたので風化や破壊を免れたものが多くあった、つまり結果的に原形をとどめることができたという側面も大きいのではないでしょうか?

「博物館で展示物を観る」ことでその時代や当時の人々の様子が分かるかというとそう簡単なことではありません。いくつかの発掘現場に立ち会いましたが、掘り出した後に研究者たち(自分の友人も含めて)がその場で腕組みして議論してるのを何回か見ました。「何が分かったんだい?」と聞いてみると友人は「さっぱり判らいのでみんなで考えている」・・・何と翌日、掘り出したものを再び埋めていました。考える間保存しておくとのことでした。 そうなんだ、、なるほど。

考古学的に整理されたものが展示されているのが博物館です、確かに。しかし、博物館を一周して多くのものを見たが印象に残らなかった、そんな経験はありませんか? 自分はあります。人の気にならないところに興味を持つ性分なので、展示を前にして「・・・・・何、これは・・・・・?」と考え込むことしきり。

で、結局よくわからないんですね。笑

何が足りなかったかというと次の2点でした。

①予習・・・これは展示物について予習ではなくもっと大きな流れ、世界史的な動きを知っておくべきだったということです。

②じっくり考える・・・①の中でここの展示物が持つ意味(もしくは無意味)を自分なりに納得する

このパネルにはこんなことが書いてあります。

“Each and every object here tells a story – sometimes, more than one – about the society that created and used it.”

特に “tell a story – sometimes, more than one” の部分は自分も多いにうなづくところです。

tinytags-2      BGM by musmus

 

 

 


投稿者: raffles

Singapore在住。Singaporeと日本で数学を教えながら、アジア文明博物館/シンガポール国立博物館のガイドをしています。ナレーター(Vive所属)として Radio Downtown Singapore/ rds のホストをしていきます。